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宝石鑑定士とはどんな人たちか

消費者のほとんどの方が誤解されているのが、宝石鑑定士の資格ではないでしょうか。不動産鑑定士、ヒヨコ鑑定士などと、さまざまな鑑定士資格が世の中には氾濫していますが、資格には国家が認定する資格もあれば、商工会議所や各種団体、私企業が認定する資格もあります。世界中、一定の基準で通用する真の資格もある一方で、名前だけの“ナンチャッテ資格”も乱発されているのが、我が国の資格ビジネスの実態です。我が宝石業界で認定される宝石鑑定士と呼ばれる資格も、残念ながら現在のところ、国家や公的機関が認定する資格制度ではなく、単に営利団体や私企業が教育と営利目的に認定する資格でしかありません。だからといって、宝石鑑定士を“ナンチャッテ資格”だと勘違いなさらないでくださいね。現在の宝石業界で、世界規模で最も認知され、規模も大きく信頼されているのが、「米国宝石学会」(GIA)と呼ばれる米国の団体で、日本では「GIAジャパン」(AGT)が資格認定を実施しており、高度の資格審査をパスした者に、「G・G」(宝石学卒業者)という認定書を与えています。日本でも最大の卒業者を有する資格認定機関の東の横綱といえます。このGIAに対抗するのが、西の大関「英国宝石学協会」(FGA)という英国の団体で、日本では「全国宝石学協会」が資格認定業務を実施しています。このGIA、FGAが日本の宝石鑑定、鑑別士資格者養成の二大メジャーといえますが、他にも数社の企業が、それぞれ独自の資格認定を実施しているのが現状です。業界の司法科学機関として、消費者に不利益を与えないよう、日夜高度な宝石鑑定・鑑別の技術研究を真摯に努力精進するこれらの企業のお陰で、我々も安心して宝石の取り引きをできる訳ですが、これらの資格を取得した後、すっかり不勉強で名前だけの“ナンチャッテ鑑定士”に成り下がってしまう人も多いのは、はなはだ残念なことです。宝石には新種の出現もあり、加工処理技術の向上、合成宝石の進歩も著しい今日、資格取得に満足するのではなく、日々の研究精進が要求されるはずですが、現在のところ、資格の更新の試験も講習もなく、業界の健全な発展と消費者保護の観点からも改善が望まれます。私の理想としては、宝石を販売する人、デザインする人、作る人、すべての宝石流通に携わる人々が、GIA、FGAレベルの知識、技術を備えていただければ、日本の宝石業界は世界最高のクオリティの業界となり、消費者にとってもメリッ卜が大きいと思うのですが……。